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2025/08/31 12:00

【玄米王漫遊記】vol.29 「玄米を土鍋で炊くメリット」

「玄米は体にいいのは分かっているけれど、なんとなく食べづらい」
「毎日続けたいけれど、炊き方が難しい」──そんな声をよく耳にします。

実は、玄米をおいしく、そして楽しく続けるためのひとつの答えが “土鍋炊飯” にあります。

土鍋は古くから日本の食卓を支えてきた調理道具。
ごはんだけでなく、煮物や鍋料理でも活躍しますが、玄米を炊くのにもぴったりの存在です。

今回は「玄米を土鍋で炊くメリット」を、専門店の立場からご紹介します。

じっくりと引き出される旨みと甘み

炊飯器と土鍋の一番の違いは「熱の伝わり方」です。
炊飯器はスイッチひとつで安定した温度管理ができるのが利点ですが、土鍋は火にかけるとじんわりと熱が広がり、鍋全体に均一に伝わります。そのため、玄米のデンプンがしっかり糖化し、ほんのりとした甘みが引き出されるのです。

さらに炊き上がりには「おこげ」ができることも。香ばしい香りとカリッとした食感は、土鍋炊飯ならではのごちそうです。

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食感がやさしく、もっちり仕上がる

「玄米は硬い」「パサついて食べにくい」と感じたことはありませんか?
これは加熱と蒸らしが十分に行われないことが原因です。土鍋は厚みがあり、火を止めても余熱でじっくり蒸らすことができます。そのため、外皮がやわらかくなり、もっちりとした弾力のある食感に仕上がります。

噛むほどに甘みが広がり、噛みごたえのある玄米の魅力を存分に味わえるのが土鍋炊飯の良さです。

それでもゴワゴワして食べにくいという場合は、玄米そのものの問題が考えられます。品種やつくり手によって、美味しさや食べやすさがかなり変わってくる玄米だからこそ、私たちは美味しく食べられるものを探し出して専門店で販売しています。

豊かな香りに包まれる幸せ

土鍋を開けた瞬間に広がる、玄米の香ばしい香り。これは他の調理法ではなかなか得られません。
土鍋の蓄熱性と気密性によって、蒸気が内部で循環し、玄米特有の香ばしい香りが立ちのぼります。

この「香りを楽しむ時間」こそが、食事を一層豊かにしてくれるのです。

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少量からでも炊きやすい

炊飯器だと1合だけの少量炊飯は難しく、パサつきやすくなることもあります。
一方、土鍋なら1合からでもふっくらと炊き上げることができます。

「今日は少しだけ炊いて、炊きたてを味わいたい」
「品種ごとに炊き比べをしてみたい」
そんな楽しみ方ができるのも、土鍋炊飯の大きな魅力です。

当店では、「玄米が美味しく炊ける」「扱いやすい」「強い火力でも割れにくい」土鍋の名門、三重県の萬古焼から華月 大黒ごはん鍋を採用しています。


食卓に彩りを添えるライフスタイル

土鍋で炊いたごはんは、そのまま食卓に置いても絵になります。フタを開けると湯気と香りが広がり、家族や友人と一緒に「わあ!」と歓声が上がる。そんな体験そのものが、食事を豊かにしてくれます。

また、土鍋は「ていねいな暮らし」の象徴でもあります。時間をかけて玄米を炊く行為は、忙しい毎日のなかに小さな余白を生み出し、食べることを大切にする気持ちを育ててくれます。

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初めてでも簡単にできる

「火加減が難しそう」と思われるかもしれませんが、基本さえ押さえれば意外と簡単です。
たとえば当店でおすすめしている炊き方は次の通りです。

(1)玄米を軽く洗い、たっぷりの水で6時間を目安に浸水させる
(2)土鍋に玄米と水(玄米1合に対して水243ml)を入れる
(3)中火で加熱し、気泡が出てお米が踊ったらしゃもじで全体をかき混ぜてから蓋をして極弱火で25分炊く
(4)火を止め、15分蒸らす

この流れを守るだけで、誰でもふっくら美味しい玄米ごはんが炊けます。

▼玄米王米穀店流 玄米の美味しい炊き方
※炊飯器の場合、土鍋の場合をご紹介しています。

上手に炊けると「カニ穴」ができます。
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おわりに

玄米を土鍋で炊くメリットは、以下のようになります。

・旨みと甘みを最大限に引き出す
・ふっくら、もっちり食感
・香り豊かな炊き上がり
・少量炊きが可能で自由度が高い
・食卓に温かい雰囲気を添えてくれる

土鍋で炊いた玄米は、ただの食事を超えて「体と心を満たすひととき」になります。
日々の食卓に取り入れることで、健康はもちろん、暮らしそのものを豊かにしてくれるでしょう。

玄米王米穀店では、土鍋炊飯におすすめの玄米を各種ご用意しています。
ぜひ一度、土鍋で炊いた玄米の魅力を体験してみてください。

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