読む

2026/03/26 16:18

【玄米王漫遊記】vol.38 「玄米をさらに美味しく、健康的に楽しむための『天然の脂』の新基準」

私たちが大切にしているのは、自然のままの食べ物、すなわち「リアルフード」の力です。
そこで今回も、米国政府の最新食教育プロジェクト『Eat Real Food(realfood.gov)』から届いた衝撃的なニュースをお伝えします。

今回のテーマは、ダイエットや健康管理で最も敬遠されがちな「脂肪」。
「お肉の脂身や乳製品は控えるべき」というアドバイスを、誰しも一度は聞いたことがあるはずです。しかし、最新の科学報告書は、その考え方が過去のものになったことを告げています。

1. 天然の飽和脂肪酸は「全死亡率」を高めない

これまでの食事指針では、「飽和脂肪酸(肉の脂やバターなど)は、総摂取エネルギーの10%未満に抑えるべきだ」と厳格に制限されてきました。
ところが、今回の指針の土台となった「科学的根拠報告書」の最新レビュー(2025年)では、驚くべき結論が示されています。

「乳製品、牛肉、豚肉などに自然に含まれる『天然の飽和脂肪酸』が、全死亡率や心血管疾患による死亡率を高めるという確実な証拠はない」というのです。

報告書は、過去の指針が天然の脂肪を十把一絡げに制限してきたことに対して、「科学的根拠が不足している」と明言しています。つまり、私たちが恐れるべきは、お肉の脂や卵そのものではなかったのです。

2. 真の敵は「加工された脂肪」と「酸化した油」

では、なぜ脂肪が悪者だと思われてきたのでしょうか? その答えは「高度に加工された食品」にあります。
「Eat Real Food公式指針」が警告しているのは、天然の脂肪ではなく、加工の過程で生まれる「工業用トランス脂肪酸(部分水素添加油:PHO)」です。これこそが、心血管疾患のリスクを高める真の主犯である可能性が高いとされています。

また、安価な植物性シードオイル(大豆油など)を高温で加熱し続けることで生じる「酸化生成物」についても懸念が示されています。

工場で大量生産されるお菓子や、何度も使い回された油で揚げたお惣菜――。こうした「不自然な形」で摂る脂質こそが、私たちの細胞に炎症を引き起こすのです。

3. 「低脂肪」という罠から抜け出そう

過去数十年、私たちは「低脂肪(Low-Fat)」こそが健康的だと教えられてきました。しかし、脂肪を減らした結果、代わりに増えたのが「精製された炭水化物(砂糖や白米、小麦粉)」でした。

今回の資料では「栄養密度の高い食品(Nutrient-dense foods)」を丸ごと食べることを最優先すべきだと述べています。

例えば、同じカロリーを摂るなら、低脂肪のシリアルを食べるよりも、天然の脂肪を含んだお肉や卵、そして玄米を食べる方が、結果として「栄養充足度」が高まり、代謝も安定するのだとか。
天然の脂肪は、私たちの脳を構成し、ホルモンを作り、ビタミンの吸収を助ける、なくてはならない「リアルフード」の一部なのですね。

4. 玄米と「天然の脂質」の素晴らしい相性

玄米食を推奨する私たちにとって、このニュースは大きな追い風です。
玄米の粒は、それ自体に「米糠」という良質な脂質をわずかに含んでいますが、ここに動物性や天然の脂質を組み合わせることで、栄養のバランスは完璧になります。

• 玄米×卵:
卵に含まれるコリンや良質な脂質は、玄米の栄養をさらに引き立てます。
• 玄米×お肉:
赤身のお肉に含まれる天然の脂質は、玄米の食物繊維と共に、ゆっくりと消化され、長時間安定したエネルギーを提供してくれます。

私たちはこれまで「玄米に合う美味しいおかず」として、お魚を大切にしてきました。しかし、お魚だけでなく、お肉の脂も必要以上に摂りすぎなければ、極度に避ける必要はないことがわかりました。


おわりに

無理な脂質制限は、満足感を奪い、かえってお菓子の過食や精白された炭水化物への依存を招きます。最新の指針が勧めるのは、「薬箱に頼るのではなく、食事の質を上げること」です。

「加工された油」は避け、「自然のままの脂」を美味しくいただく。
このシンプルなルールを守るだけで、私たちの食生活はもっと豊かで、健康的なものになります。

「美味しい玄米があれば、余計な加工品はいらない」
食べることそのものは決して悪ではないのです。
量よりも質を大切に、しっかりと食事を摂ることがこれからのトレンドになることを願っています。


玄米の「浸水」や「炊飯」の時間が取れない方へ

選択肢1「もち玄米」
通常の白米と同じ炊き方で炊飯いただけます。
▼炊き方の詳細はこちら

選択肢2「パックごはん」
pH調整剤などの添加物不使用。食塩不使用。
原料は滋賀県産有機玄米のみ。


<参考文献>
1. Dietary Guidelines Advisory Committee. (2025). Scientific Report of the 2025 Dietary Guidelines Advisory Committee. USDA/HHS.
2. Zhu, et al. (2019). Association of specific dietary fats with total and cause-specific mortality. Lipids Health Dis.
3. Astrup A, et al. (2020). Saturated Fats and Health: A Reassessment and Proposal for Food-Based Recommendations. J Am Coll Cardiol.
4. Layman DK, Leidy HJ. (2025). Prioritize High Quality, Nutrient Dense Protein Foods as part of a Healthy Dietary Pattern. Rapid Systematic Review.
5. Ramsden CE, et al. (2012). Lowering dietary linoleic acid reduces bioactive oxidized linoleic acid metabolites in humans. Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids.
6. Real Food Wins (official website): https://realfood.gov/

読む Top