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2025/04/18 10:00

【玄米王漫遊記】vol.23 今更聞けないお米の呼び方「うるち米・もち米」「玄米・分つき米・白米」

令和の米騒動が長引くいま、お米について改めて話していると意外と知らないこともあるのではないでしょうか。
そこで今回は、お米の呼び方について簡単に解説をします。

1.うるち米ともち米の違い

うるち米(粳米)
うるち米にはアミロースという成分が約20%含まれており、これが米粒が分離する性質をもたらします。 日常的に食べる白いご飯や寿司、ハンチャーなどに使われるのがこのうるち米です。
コシヒカリやひとめぼれ、あきたこまちなど、日本各地の有名銘柄米はほとんどがうるち米に分類されます。 うるち米は炊飯後に時間が経つと硬くなりやすい特徴があります。

もち米(糯米)
もち米は、その名の通り強い粘りが特徴で、お餅やおこわ、赤飯などの調理に使われます。 もち米はアミロースがほとんど含まれておらず、代わりにアミロペクチンという成分がほぼ100%をとなっています。
もち米は単体でご飯として食べることは少なく、お正月のお餅、おはぎ、ちまきなどの伝統的な料理に使われます。また、タイやラオスなど東南アジアの一部ではもち米を主食としている地域もあります。

2. 精米度による違い:「白米・玄米・分つき米」

白米
白米は、玄米から糠層と胚芽を完全に取ったお米です。つやがあり、見た目が美しく、食感も柔らかいため、最も一般的に食べられています。精米度合いは90〜92%程度で、玄米の外側約8〜10%が取り除かれています。
白米のメリットは、消化が良く、炊飯時間が短く、味や香りが穏やかで食べやすいことです。 一方、精米の過程で食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素が減少するというデメリットがあります。

玄米
玄米は、収穫後に籾(もみ)殻だけを取り込んだ状態のお米です。糠層や胚芽が残っているため、茶褐色をしています。精米度合いは0%で、白米への加工工程を一切行っていない状態です。
玄米の最大の特徴は栄養価の高さです。食物繊維、ビタミンB群、ビタミンE、鉄分、マグネシウムなどの栄養素が豊富に含まれています。特に糠層に含まれる食物繊維は腸内環境を整え、胚芽に含まれる良質な油脂は美容や健康に良いとされています。
ただし、玄米は白米に比べて硬くて、消化に時間がかかるため、胃腸が弱い人には不向きな場合もあります。 また、炊飯前の浸水時間が長く必要で、炊飯時間も長くなります。 さらに、独特の香りや食感があり、好みが分かれるところです。

分つき米
分つき米は、玄米と白米の間に位置するお米です。 玄米の糠層を部分的に取り除いた状態で、その精米度合いによって3分づき、5分づき、7分づきなどと呼ばれます。 数字が大きいほど白米に近く、小さいほど玄米に近い状態です。
例えば、5分づき米は玄米の外側約50%の糠層を取り除いた状態で、7分づき米は約70%を取っています。分つき米は玄米よりも食べやすく、白米よりも栄養価が高いという特徴があり、健康志向の人々に人気があります。

栄養面では、玄米が最も優れており、その後分つき米、白米の順になります。 特に食物繊維、ビタミンB1、ビタミンE、マグネシウムなどは玄米に豊富に含まれています。

調理特性としては、白米は吸水性が良く炊飯時間も短いのに対し、玄米は吸水に時間がかかり、炊飯時間も長くなります。 分つき米はその中間の特性を持ちます。 また、保存性については玄米が最も優れており、胚芽を含む白米や分つき米は油脂が酸化しやすいため、保存期間が短くなる傾向があります。

4. 現代の食生活におけるお米の選択

現代の多様な食生活において、どのお米を選ぶかは個人の健康状態や好み、調理の目的によって異なります。毎日の主食としては白米が食べやすいですが、健康を意識するなら週に数回は玄米や分つき米を取り入れても良いでしょう。

また、うるち米ともち米を上手に使うことで、和食の幅が広がります。 日常ご飯にはうるち米を、おこわや赤飯、お祝い事にはもち米を使うという伝統的な食文化を大切にしながら、自分の生活スタイルに合ったお米の選び方を見つけてみてはいかがでしょうか。

お米は日本の食文化の基盤であり、その多様性を理解することは、より豊かな食生活につながります。それぞれの特徴を考慮した選び方と調理法を知ることで、毎日の食事がさらに充実したものになるでしょう。

おわりに

玄米から白米に精米する過程で、約10%のロスが出ることや栄養価が減少することを思うと、玄米を食べることはメリットが多くあります。
一方で、きちんと炊飯できていなかったり、体調によっては消化不良を起こしてしまう場合もあるので、しっかり浸水時間をとってから炊飯するようにしましょう。

また、玄米王米穀店では、長時間の浸水時間の手間を減らした「もち玄米」の取り扱いもあります。
炊飯用のもち米の玄米は、なかなか売っていませんのでぜひお試しください。選んだのは、高級和菓子に使われる美味しい品種です。

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