2023/05/06 14:08
玄米王米穀店は、お米の専門家である「五ツ星お米マイスター」のいるお店です。
お米が大好きな私たちがお届けする【玄米王漫遊記】ぜひご覧ください。
【玄米王漫遊記】vol.4 江戸患いと玄米食
私たち日本人の食卓で白米が当たり前になったのは戦後の高度成長期からと言われています。
江戸時代に入ると、江戸で働く侍は白米を食べるようになりますが、これまでの玄米食から白米食に変わったことでビタミンB1が不足して、江戸患い(脚気)になる侍が出てきました。
今回は江戸患いと玄米食をテーマに、玄米についてご紹介したいと思います。
江戸時代の一般的な食事
ごはんに味噌汁、お漬物といった一汁一菜が基本。白米は江戸働きの侍などの食事で、地方の庶民などは専ら雑穀を食べていたそうです。
以前は、白米は身分の高い人しか食べられないものだった白米が都市部の人々に食べられるようになっていくと、奇妙な病が流行り始めました。
江戸を訪れた地方の大名や武士に、足元がおぼつかなくなったり、寝込んでしまったりと、体調が悪くなることが多くなりました。そんな人たちも故郷に帰るとケロリと治ってしまうことが多かったため、この病は「江戸患い」と呼ばれたのだそうです。
現代では脚気(かっけ)と呼ばれるこの病気は、ビタミンB1不足によるものです。脚気になると末梢神経や中枢神経が冒され、足元がおぼつかなくなったりするほか、重症化すると心不全を起こし、死に至ることもあるそうです。
脚気は、明治時代にも大流行し、長い間原因が解明されず、大正時代には結核と並ぶ2大国民病と言われるほどでした。
それもそのはず。当時は副食に乏しく、主食でお腹を満たす食事でした。現代のように、肉や魚、さまざまな野菜や果物でバランスよく栄養を摂取可能な状況ではなかったのです。
玄米と精白米
白米は、玄米から糠層を取り除いた部分ですが、この部分にこそ大切な栄養が含まれます。
米糠は、油成分と脱脂成分に分けられます。
油成分にはガム、ワックス、重質油、軽質油があります。
ガム:レシチン、セラミドなど
ワックス:長鎖脂肪酸
重質油:脂肪酸、γ-オリザノール、フェルラ酸など
軽質油:トコフェロール、スクワレン
脱脂成分には、GABAなどのペプチドやフィチン酸、マグネシウムやカルシウムなどの多くのミネラルが含まれます。
現代人と玄米食
昔とは異なり、現代は飽食の時代。十分な栄養を摂れるはずなのに、栄養不足による体調不良を引き起こしている現代人が多くいます。日々の忙しさから、加工商品の多用や偏った食生活となる場合があるためです。
そこで、ごはんとお味噌汁、簡単なおかずという日本型食生活がおすすめなのですが、ごはんを玄米に変えることでさらに栄養を補うことができるのです。
おわりに
玄米は浸水時間が必要なので、やはり少々手間がかかります。しかし、週に1度だけなど、できる方法で取り入れることで、ミネラルやビタミンの補給をしてみるのはいかがでしょうか。