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2023/04/30 17:53

玄米王米穀店は、お米の専門家である「五ツ星お米マイスター」のいるお店です。
お米が大好きな私たちがお届けする【玄米王漫遊記】ぜひご覧ください。

今でこそ白米を食べる方が圧倒的に多いですが、昭和初期には関東大震災後の主食をめぐって「玄米・七分づき米論争」が起こるなど、玄米食を大切にしている方々も一定数存在し続けています。
そこで今回は日本綜合医学会の初代会長で「玄米・菜食」を薦めてきた二木謙三(ふたきけんぞう)氏が述べた「玄米二十徳」をご紹介したいと思います。

玄米二十徳

一  たんぱく質が白米より20%多い。
二  脂肪に富んでいる。
三  炭水化物は少しも劣らない。
四  無機質が多い。
五  ビタミンに富んでいる。特にBが多い。
六  ジアスターゼがある。糠層に多く、消化を助ける。
七  繊維質皮質が多い。便通をよくする。
八  完全食である。白米で鶏を養えば死ぬ。
九  玄米は生きている。白米は搗かれたときから死んでいる。
十  玄米は変質しない。果実でも皮を剥いておくと直ちに黴菌が付くのと同じ。
十一 味がよい。玄米は舌にのせたときには甘くないが噛んでいるうちに甘味やたんぱく質の味や脂肪の味などなんともいえぬ味が生まれてくる。
十二 咀嚼のよい習慣がつく。
十三 食糧が自然に減じてくる。
十四 玄米にすれば一日二食にすることが自然にできる。
十五 玄米は炊事が楽である。硬かったら二度炊きでき、炊き損ねがない。
十六 副食物は簡単なものだけ玄米に適する。複雑な味のものにすると玄米の味が消えてしまう。
十七 嗜好が簡単になる。美食を忌むようになる。
十八 玄米は小児でも病人でも婦人でも適用が自由で広い。
十九 健康度が増す。抵抗力がつき寿命が延びる。
二十 経済が楽になる。

これらの主張は、二木謙三自身の玄米菜食の経験や、当時の科学的知見に基づいています。しかし、現代の栄養学や医学では、玄米二十徳の内容をそのまま受け入れることはできないように思います。

現代の栄養学や医学から考察する「玄米二十徳」

例えば、以下のような点があげられます。

・たんぱく質や脂肪、ビタミンなどは、玄米だけでは不足する可能性があります。動物性食品や野菜、果物などもバランスよく摂取する必要があります。
・ジアスターゼという酵素は、玄米ではなく大麦や小麦などに含まれます 。また、消化を助ける効果は科学的に証明されていません。
・繊維質皮質が多いというのは事実ですが、それが必ずしも便通をよくするとは限りません。玄米に含まれる食物繊維は不溶性のものが多く、水溶性のものが少ないためです 。水溶性食物繊維は腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整える働きがあります。
・完全食であるというのは誇張された表現かと思います。玄米だけでは必須アミノ酸や必須脂肪酸などを十分に摂取することはできません 。また、白米で鶏を養えば死ぬというのは、栄養価だけでなく、衛生面やストレスなども影響する可能性があります。
・「玄米は生きている」というのは、発芽能力を指していると思われますが、発芽能力は玄米の品質や保存方法によって変わります 。
・玄米は変質しないというのは間違いです。玄米にも水分や油分が含まれており、保存条件によってはカビや虫などが発生する可能性があります 。玄米を長期保存する場合は、冷暗所や冷蔵庫などで保管する必要があります。
・味がよいというのは個人の好みによります。玄米に慣れていない人にとっては、硬くて噛みごたえがあることや、糠層の風味や苦味などが気になることもあります 。
・咀嚼のよい習慣がつくというのは一理あります。玄米は白米よりも噛む回数が多くなります 。咀嚼回数が多いと満腹感が得られやすくなり、食べ過ぎを防ぐことができます 。また、咀嚼回数が多いと唾液分泌量も増えます。唾液には消化酵素や抗菌作用があり、消化や免疫に役立ちます。
・食料が自然に減じてくるというのは、玄米の満腹感や栄養価の高さによるものと考えられます。玄米は白米よりもカロリーが低く、食物繊維やビタミンなども豊富です。
・玄米にすれば一日2食にすることが自然にできるというのは、玄米の消化時間が長いことによるものです。玄米は白米よりも消化吸収に時間がかかります。そのため、玄米を食べると、空腹感が遅くなります。
・玄米は炊事が楽であるというのは、現代ではあてはまらないように思います。
・副食物は簡単なものだけ玄米に適するというのは、玄米の味わいを楽しむためのものと考えられます。
・嗜好が簡単になるというのは、玄米食に慣れることで味覚が変わることを指していると思われます。玄米食に慣れると、甘いものや油っこいものなどが苦手になる人もいるようです。
・玄米は小児でも病人でも婦人でも適用が自由で広いというのは、玄米の栄養価や安全性を強調するためのものと考えられます。
・健康度が増すというのは、玄米の栄養や効能に基づくものです。玄米は白米よりも食物繊維やビタミンなどを多く含みます。そのため、便秘や糖尿病などの生活習慣病の予防や改善に役立ちます。また、玄米に含まれるゲルマニウムやイノシトールなどの成分は、免疫力を高めたり、がん細胞の増殖を抑えたりする効果があると言われています。
・経済が楽になるというのは、玄米食によって食費や医療費が節約できることを指していると思われます。

玄米二十徳は、玄米の栄養や効能を強調するために作られたものですが、現代の栄養学や医学では、その内容をすべてそのまま受け入れることはできないようですね。
どんな食材でもそうですが、玄米だけでは健康になれるというわけではありません。玄米を食べる際には、水分や野菜などもバランスよく摂取することが大切ですね。

二木謙三(ふたきけんぞう)氏について

二木謙三は秋田佐竹藩の藩医、樋口家に生まれ、1年ももたないだろうと言われるほどの虚弱児だったそうです。3歳の頃、同じく藩医の二木家に養子に入ります。20歳まで心身ともに数多くの病気に悩まされていたようです。
徴兵検査の折、虚弱な病身を指摘され、軍隊の黒い麦飯を食べるようにと一喝されたところから「食養生」に目覚めていったようです。
そうして、彼自身の体をもって食養生で虚弱な病身から開放されたことで「玄米菜食」の食事法を提唱するに至ったのだそうです。
生まれてから20年以上悩んでいた虚弱な病身を食養生で改善し、94歳で老衰により亡くなったということからも、食事の大切さに気付かされます。

おわりに

マクロビオテックを推奨する方々など食養生の観点から玄米食を選択する方がいるのは、このような「徳」があるからなのですね。
一般的な玄米が食べにくい方でも美味しいと言っていただけるような「旨い玄米」をご提供できるよう、玄米王店主の生産者探しの旅は続きます。

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