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2023/03/26 14:49

玄米には毒がある。そんな話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
多くの論分や研究結果が出ていますが、今回は玄米王米穀店の見解をお伝えできればと思います。

よく問題視されるのが「フィチン酸」と「アブシジン酸」の2つの成分です。

▼フィチン酸について
フィチン酸は決して珍しい成分ではなく、小麦などの穀物や豆類の外皮部分に多く含まれています。

フィチン酸にはマグネシウムや鉄、カルシウムなどのミネラルと結合する「キレート作用」があることから、ミネラルの吸収が阻害されると言われこの点においてはマイナス面を含んでいることは否めません。

しかし、近年の研究では、強力な抗酸化作用があり、ガン予防に関与している他、尿路結石や腎結石の予防や再発防止に効果があると言われており、前述のマイナス面を上回る嬉しい効果が期待されています。(※1)

また、玄米を食べることにより、他の食品のミネラルを大量に排出し、ミネラル不足になるとの考えは非常に短絡的であり、日本らしいバランスの良い食事をすることで十分にカバーできるものと考えています。


▼アブシジン酸について

アブシジン酸は、種子植物全般に含まれている(作られている)ものであり、玄米に限って存在している成分ではありません。植物ホルモンの一種であり、気温などの変化に応じて、植物の生理機能を調節したり、種子を発芽させない状態を維持する種子休眠などにおいて重要な役割をしていると言われています。

問題視されているのは、このアブシジン酸がエネルギー代謝に関わる細胞、ミトコンドリアを損傷させるというのではないかという説。

しかし、野菜やゴマ・豆類などなど多くの植物に含まれており、日常的に広く摂取されているものであり、「人の健康を損なうおそれのないこ とが明らかであると考えられる」との研究結果も出ています。(※2,※3)
また、イタリアのジェノバ大学の研究結果では、血糖と脂質血症を改善する効果があるとの論文もあり、毒性よりも健康に関与する機能に注目が集まっています(※4)

ネット上にはたくさんの情報があり、不安になることもあるかと思いますが、日本が長い間培ってきた食文化を考えると玄米=毒であると考えることは非常に短絡的だと考えています。何よりも日頃からバランスの良い食事を心がけ、適度な運動を継続して行くことが大切です。
よって、玄米王米穀店では、玄米を毒と認識することを強く否定します。


<参考文献>

※1 日本食品分析センター
※2 食品安全委員会
※3 米国環境保護庁(EPA)、植物調節剤、S-アブシジン酸の残留基準値設定免除に関する規則改定
※4 Chronic Intake of Micrograms of Abscisic Acid Improves Glycemia and Lipidemia in a Human Study and in High-Glucose Fed Mice

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